ケルトを聴きながらフィンランドに憧れて

北欧、フィンランド、ケルト音楽が好き。家事全般苦手なずぼら主婦が日々の暮らしや家事育児について。たまに昔話。

パンとスープとネコ日和を読了

私は本を読むのがあまり得意ではないが
Amazonプライムでドラマの「パンとスープとネコ日和」を見ていたからかスラスラ読めた

原作とドラマはやっぱりかなり違っていた
あらすじという太い幹は一緒なのだが
細かい部分が色々と違っていたのでビックリした

ここからは、ネタバレなので、あしからず

ドラマではアキコのお母さんのお店の常連さんだったヤマダさんやスダさんが戸惑いながらも
アキコのお店を応援してくれて
近くの喫茶店のママも口は悪いが
アキコの店を心配してくれていて
商店街の人がとても温かく
最後にみんなで食卓を囲む所も和んだのだが
「パンとスープとネコ日和」の本に関しては
常連さんもママもそういう感じでは無かった
続編が出ているので、もしかしたら後々そうなるのかもしれない
そうなって欲しいなぁ
本の常連のおじさん達は、アキコのお店に文句やアキコのお母さんのお店と比較ばかりしていた
でも、現実的なのは本のほうかなと思った

アキコのお母さんのお店は、庶民的でザ・昭和の食堂だったわけだし
アキコのおしゃれでシンプルなお店には
おじさん達の姿が似合わない

ドラマでは、常連役の俳優さんが光石さんと塩見さんで
二人ともダンディなので
サンドイッチを頬張る姿が様になる
おしゃれなお店でも浮いている感じがしない

本で描かれているおじさん達は
ダンディとは程遠い普通のおじさんなので
アキコのお店を応援するどころか
ダメ出しをした上に
商店街ですれ違う時に挨拶をしたアキコを無視するほどだ
これにはアキコが可哀想になってしまった

ドラマでは詳しく語られないアキコの心情が
本では詳しく語られるのも面白い

お母さんのお店の常連のおじさん達の居場所を奪って
自分の好きな雰囲気のお店を何も言わずに開店したことにかなり心の葛藤があったし
お店のお客さんが似たような雰囲気になってしまったことにとても不安を感じていた

ドラマでは、その辺はあっさりとしていたので
凛とした表情のアキコの心の内に
こんなに葛藤があったのかと
とても人間らしく感じた

ドラマでは描かれなかったが、調理師学校を卒業したり
食材の仕入れ先の確保を料理学校の先生が手伝っていたり
料理学校の先生との絆の深さが本では描かれていた

ドラマではアキコの異母兄弟は、弟で加瀬亮さんが演じていた
本では兄が二人いるようで、住職として跡を継いだお兄さんの嫁で、アキコの義理の姉にあたる人との交流が主になっていた
加瀬亮さんと小林聡美さんの二人の雰囲気や会話が好きだったので
異母兄弟と交流が無かったのは少し残念だったが、
もしかしたら続編に描かれるのだろうか

また、ドラマでは猫のたろちゃんが居なくなっただけだったが
本では突然死んでしまった
最愛の猫を失った悲しみがとても詳しく描かれていて
お母さんを失った悲しみより
愛猫を失った悲しみの方が強いとアキコも感じている通り
その悲しみは本当に深い
アキコが母親にドライな感情しかないことにちょっと寂しい気がした
それとも母親を失ってすぐたろちゃんと出会い
寂しさを埋めてくれていたたろちゃんが死んだからこそ
本当の寂しさが襲ってきたのだろうか

ドラマでも本でも
しまちゃんがとてもいい雰囲気を醸し出している
ドラマでは伽奈さんが演じているが
彼女はとてもはまり役で
しまちゃんそのものという感じがする
このドラマの役者さんはみんな自然で
それが嫌みのない自然な演技で
本当に感心してしまう

ドラマも是非続編が見たいが
「福も来た パンとスープとネコ日和」を
今度は楽しみたいと思う